1.下書き 大まかなストーリーが完成したので、次は、下書きを行います。この時点では、
まだパソコンを利用しません。裏紙で十分です。
ここでいきなり下書きをせずにパソコンで作成にとりかかる人がいますが、それは無謀です。
パソコンはあくまでツールです。完成イメージが描けていない段階で、ツールを利用したからといって
完成度の高いプレゼン資料ができるわけではないのです。裏紙に何度も書き、修正しながら完成度を上げ、
最後の清書としてパソコンを利用すればよいのです。 2.作図 下書きの段階で整理したものをそのまま図や表を使わずに文章だけでパワーポイント (PowerPoint)で作成することも可能です。 しかし、図で表現する方が聞き手が論理構造を頭に描きやすいのですし、見て理解できるので効果的です。 しかし、「図を作成したいけど、自分にはデザインセンスがないから。」などの言葉を聞くことがありますが、 これは誤解だと思います。プレゼンでの作図ポイントは、デザインではなく、 “論理構造を図で表現すること” だからです。 作図のポイントは、以下です。 (1)論理構造を図にする 作図とは論理構造を図にする、と先に記載しました。例として、下書きで記述した”企業としての課題”を図にしてみます。 そこで、右上図では、「顧客満足の向上」に対して「施策(1」)と「施策(2)」が つながるわけですから、「顧客満足の向上」を一番上位にあらわし、その下位に「施策(1」)と 「施策(2)」を平行に並べます(同じ位置付けということで)。そして、「施策(1))と 「施策(2)」を実行した結果として、「売上向上・利益向上」を導き出すことが可能である。 という流れの図にしました。そして、右下図では、「売上向上・利益向上」を一番上位にあらわし、 その下位に「生産性向上」を書き、またその下位に「労働環境改善」と「社員教育」を平行に並べます。 どうでしょう?左図の構造より、右図の構造の方がずっと分りやすいです。 左図では、その言葉の関連性を読みながら頭で理解しなければなりませんが、右図では、一目で分ります。 このように、文章で書いている論理構造を図にするだけなのです。
(2)レイアウトを決める 作図を行う場合、最初にどれくらいの多きさの図形をどれくらいの数で作成できるのかを見極めます。 例えば、組織図を作成する場合、部署が1つなのか、10なのかによってレイアウトが全然違ってきます。 当然、数が多いほど図も小さくなります。 しかし、図をあまり小さくすると文字サイズが小さくなるため、見えにくくなります。 そのため、図の数と大きさと文字サイズのバランスでレイアウトを決定するのです。 例として、”企業としての課題”を作成する場合、左図では、枠内に全ての図を書いてみました。 そうすると詰め込みすぎて見づらくなっています。そこで、右図のように2ページに分割しました。 この方がずっとスッキリします。また、発表の際も分けて一つずつ発表できるので、都合もよいのです。 (3)形に意味をもたせる 作図の場合、△□○などの形を自由に記載することができます。 しかし、自由に記載できるからといってどれを使ってもいい訳ではありません。 それぞれの形に対する意味をもたせた方がいいのです。 例えば、以下の図の場合、顧客満足と、これに対する施策が四角形で同じ形になっています。 しかし、”顧客満足”と”売上向上・利益向上”は、最終的な効果という意味なので、 ”施策(1)”、”施策(2)”とは別の意味になります。そのため、これを図で変えて表現した方が分かりやすいです。 ※もっと図形が多くなった場合、全てを四角形で作成すると、メリハリがなくなり、 分りづらくなることがあるのです。そのような時には、その対象を分類し、四角形や円形で分けて表現した方がいいのです。 (4)メリハリをつける 形に意味をもたせた後は、強調すべきところの線を太くしたり、色をつけたりしてメリハリをつけます。 ”企業としての課題”の例では最終的に強調したいのは、”施策(1)”と”施策(2)”を実施する、 ということなので、これに網掛けをし、線を太くして強調します。 (5)文字を多くしない 情報収集に多くの時間を割いたので、書きたいことが沢山あると思います。 しかし、文字が多いと聞き手が文字を読んでしまい、プレゼンターの話を聞いてくれないことがあるのです。 そのため、プレゼンテーションは、情報は多すぎない方がいいのです。足らない部分は言葉で補足しながら説明すればいいのです。 このようなことを繰り返しながら図を作成していきます。 この章の初めにも言いましたが、作図とは、デザインではなく、論理構造を図にすることなので、 決して難しいことではありません。 なお、それでも図のレイアウトをゼロから作成するのは非常に面倒でもありますので、 図形サンプルを用意しました。是非、ご利用ください。 |