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実践的!!プレゼンテーションの『コツ』講座 No.022号
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−プレゼンテーションとパワーポイントのコツを学べるメールマガジン−
購読者数 929名
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今やビジネスマンにとって必要不可欠となった「プレゼンテーション」を成功
させるためには、多くの『コツ』があります。
1.どのようにプレゼン資料を準備するのか?
2.パワーポイント(PowerPoint)でどのように作成するのか?
3.発表方法は?
筆者が10年の経験から学んだ、より実践的で、より最適なプレゼンテーション
方法を伝えるメールマガジンです。
なお、本メルマガの内容は、以下のサイトで書ききれない、より詳細なスキル
をお伝えするものです。全体像は以下のサイトをご覧下さい。
http://www.nakeru-p.com/
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■ライブドア 新球団構想プレゼン資料から学ぶ(3)■
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今回は、前回のNo.21号、前々回のNo.20号に続き、ライブドアの「プロ野球
新球団構想プレゼン資料」に対する
”押しかけコンサルティング”
です。前回は、「こういうところは改善して方がいいですよ!!」
について解説しました。今回も、引き続き改善点として「新球団構想計画骨子」
の更に詳細を記載した”別添資料”について見ていきます
前回、ダウンロードされていない方は、ライブドアが発表した「新球団構想計
画骨子」をダウンロードして、ご覧ください。
http://finance.livedoor.com/disclose/tmp/28130030_20040819.pdf
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1.プレゼン資料準備の『コツ』 ・・・実際のプレゼン資料から学ぼう
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●このプレゼン資料は、8/19に新球団構想計画としてマスコミに向けて発表さ
れたものです。コンサルティングを開始する前に、このプレゼン資料の目的を
明確にしないと適切なアドバイスもできません。
正確なところは当事者しか分かりませんので、ここでは、目的を以下のように
仮定します。
[目的]
ライブドアが新球団を設立するにあたり、日本プロ野球組織に対して
計画内容を提示し、方向性の理解を求める。
以上を目的と仮定して、コンサルティングを行います。
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<新球団構想計画骨子 別添資料>
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●球団運営の3つの柱
まずは、別添資料をご覧ください。別添資料は、「新球団構想計画骨子」より
先に作成されたものです。そのため、「〜骨子」の経営方針で記載されたもの
と同じ3つの柱がより詳しく記載されています。
1. 市民球団運営
2. IT活用
3. 成功事例導入
「1. 市民球団運営」は、球団の株式を発行し、市民に購入してもらったり、選
手にストックオプションを付与するなど「稼ぐが勝ち」、まさにライブドアら
しい施策ですね。それで、株式上場の際、市民は、金持ちになる(株価が上がれ
ばの話ですが)というシナリオです。確かに魅力的ですね。(^^;)
「2.IT活用」は、顧客データベース、インターネット(ブログ)の活用など、IT
企業の特徴を活かした施策ですね。
「3.成功事例導入」もユニークですね。プロ野球をはじめ他のスポーツの成功
事例を積極的に導入します。
という内容です。
こういう施策を企画するのってワクワクして楽しいですね。自分たちのやりた
いことを抽出し、議論し、方向性を決定していくのです。一方、ライブドアの
ライバル企業、楽天はまた違った施策を出しています。
このように施策というのは会社によってバラバラなのです。10の会社があれば
10の異なる施策になるはずです。どれが正解ということでもない。それより、
これらの施策を実行し、成功させることができるかどうか、が問題なのです。
では、話を戻してプレゼン資料作成という観点からここから何を学べるのか?
ですが、それは、その企画した施策は、その会社や事業の方針や目的に合致し
てるのか?ということです。ここがポイントです。簡単な話です。
つまり、施策を沢山、抽出するのはよいですが、その施策は背骨である方針や
目的に合致しているのか?ということなのです。
それで、ライブドアのプレゼン資料の問題点は、この方針をどこにおいている
のが曖昧に見える点です。背骨を自らぼやかしてしまっているのです。よいで
しょうか?再度、確認すると、このプレゼン資料の背骨は、
・市民球団を作ること
のはずです。では、先の3つの施策は「市民球団を作ること」にしっかりつな
がっているのか?ということです。
●1.市民球団運営
タイトルからするとそのまま「市民球団を作ること」につながりそうですが、
内容を見ると、株式の発行を中心とした内容にとどまっています。これも一つ
の施策ですが、市民球団運営というならもっと他にも施策があるのでは?とも
思ってしまいます。
例えば、
・地元の商店街との連携
・地元企業との連携
・子供達との連携
などです。株式発行というだけでなく、”人と人がつながる”ような施策を掲
げる方が、より市民球団運営に近いと思います。
●2. IT活用
インターネットと顧客データベースを活用は、IT企業の特徴を活かした施策で
すよね。これが「市民球団を作ること」につながるのか?ということです。内
容を読むと、地元の人を意識したものというより、全国を意識した施策に見え
ます。これはこれで重要な施策ですが、市民球団を作るなら、もっと他にある
のでは?と思ってしまいます。
例えば、
・CATVを通じた試合中継
・地元商店街、地元企業の広告配信
などです。全国のファンの取り込みも大切です。しかし、地元のファンに対す
る施策を盛り込まないといけないはずです。
●3. 成功事例導入
これに関しては、良いですね。中でも「勝ったら企画」「サポーターズ・クラ
ブ」などは、地元のファンとの連携を意識したものです。ただ、「スタジアム
通貨」だけが若干、ずれている。市民球団を作るなら、
・スタジアム通貨を地元の商店街でも使用できる
などの施策を盛り込めばベストですね。そういう意味でタイトルがよくないの
ですね。
「地域住民を巻き込む成功事例の導入」※工夫がないですが...(^^;)
といったタイトルにした方がより明確ですね。
⇒このように、施策を抽出する場合は、背骨と一致しているかどうかを意識し
ないといけないのです。そうでないと視点がぼやけてしまう。商品販売、
事業戦略など、様々なテーマでプレゼン資料を作成されていると思いますが、
方針と施策とのつながりを意識してください。
●全体(論理展開)
別添資料だけでなく、再び「新球団構想計画骨子」を含めた全体の話になりま
す。もう一つ改善すべき点としては、前号からの繰り返しになりますが「なぜ、
市民球団なのか?」という論理展開に説得力が乏しい点です。
「新球団構想計画骨子」での論理展開は、以下です。
1.目的:市民球団を作る
2.施策:3つの施策を成功させる
一見、悪くなさそうです。しかし、できれば「なぜ市民球団を作る必要がある
のか?」が欲しくなります。例えば、
1.目的:市民球団を作る
★2.背景:市場、ニーズがある、あるいは、課題がある
3.施策:3つの施策を成功させる
上記の★印が欲しいのです。敢えて外しているのかも知れませんが...
しかし、一般的にプレゼン資料を作成する上では、「なぜ、これが必要なの?」
に対する回答を明確に表現した方が説得力が増します。
1.目的:新商品販売、売上10%増
2.施策:3つの施策で実現します
というより、
1.目的:新商品販売、売上10%増
★2.背景:市場、ニーズがある
2.施策:3つの施策で実現します
というように★を加えた方がより、説得力があります。前者の場合、どうして
も「裏づけは?」と逆に問いただしてしまうのです。
⇒プレゼン資料を作成する場合、裏づけを曖昧にせず明確に表現する方が王道
です。単純に「そうしたいから...」ではなく、そこには明確なニーズや
課題があるから、このような施策を実施するのです。という論理展開にもっ
て行きましょう。
●以上が、今回の改善点です。
最後に、今回のライブドアのプレゼン資料から学ぶべき点を整理します。
1.施策を抽出する場合、方針や目的などの背骨とつながることを意識する。
2.目的や施策を実施する裏づけを明確にする。
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■3.編集後記
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<編集後記>
なんと3回のメルマガ(6週間)でライブドアのプレゼン資料を勝手に題材と
させていただきました。
ライブドアにはとても感謝です。m(_ _)m
現時点では、ライブドアか楽天か決定していませんが、とても長い時間、
ライブドアの資料と関わったので、個人的にはライブドアに頑張って
欲しいですね!!
頑張れ!!ライブドア!!
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□担 当:杉田恭一(ナケルワタル)
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